「不動産投資」といっても不動産にはさまざまな種類があることをご存知でしょうか?
不動産投資をこれから始めようとしている方や、興味をお持ちの方はまず物件の種類や特徴を理解し、自分に合った物件を選択することで、よりよい投資に繋がることでしょう。 この記事では物件の種類と特徴について解説していきます。
Contents
不動産投資の種類は?
不動産投資の種類は大きく分けると、下記の3つに分けることができます。
- 現物不動産投資(現物投資)
- 不動産小口化商品(小口化)
- 不動産投資信託(証券化)
ここでは用語について簡単にまとめます。
- 現物不動産投資とは、実際に引渡しが可能な有形物(土地・建物)に対して行う投資を指します。一般的な自ら不動産を購入して賃貸することで賃料収益を得るものや、転売をして売買によって利益得ることをイメージしてください。
- 不動産小口化商品とは、事業者が特定の不動産を小口化して複数の投資家に販売します。その不動産で得た利益は投資家に分配されます。
- 不動産投資信託とは、不動産投資法人が窓口となって不動産を「証券」として発行し、投資家からの資金をもとに不動産へ投資を行います。そこから得た収益は投資家に分配されます。
現物不動産 | 不動産小口化商品 | 不動産投資信託 | |
投資対象 | 不動産(物件) | 不動産(物件) | 事業者(会社) |
物件数 | 〇多い | △少ない | △少ない |
物件の選定 | △難しい | 〇楽 | 〇 |
資金 | △高額 | 〇少額 | 〇少額 |
融資 | 〇 | ✕ | ✕ |
レバレッジ効果 | 〇 | ✕ | ✕ |
リターン(利回り) | 〇高い | △低い | △低い |
相続対策 | 〇 | △(種類による) | ✕ |
分散投資 | △ | 〇 | 〇 |
維持・管理 | 必要(別途: 委託費用あり) | 無 | 無 |
転用・売却 | 可能 | 口単位で売却可能 | 〇 |
投資対象は?
まず一番の違いは不動産の“所有権”の有無です。現物投資と小口化商品の場合(匿名以外)は所有権を持ちます。(相続時に節税対策で役に立つ!)しかし証券化の場合は金融商品のため所有権は持つことがありません。また、投資先が異なり、現物不動産と小口化商品の場合は不動産そのものに投資をしますが、不動産投資信託の場合は不動産投資法人に投資をします。➡現物:個人投資/小口化商品:共同出資/不動産投資信託:投資会社(証券の購入)
物件の種類って?
個人で現物投資を行う場合は住居系(アパートやマンション)がメインとなりますが、小口化商品や証券化の場合は住居系の他に事業系(オフィスビルや商業施設)の大規模の物件まで多様な物件を取扱います。たとえ一口の投資であっても個人では購入できないような物件のオーナーになることが出来るのです。また個人の場合、投資に関する専門知識が必要となり物件を選定することも難しいですが小口化商品や不動産投資信託(REIT)の場合は不動産のプロが選定するため、そこまでの専門知識がなくても良いのです。投資をしながら学ぶことも可能ですね。
資金(投資額)は?
現物不動産の場合は物件によりますが、融資を受ける場合であってもほとんどの場合で数百万~数千万円が必要となります。一方で小口化商品や証券化の場合は、数万円~数十万円の資金があれば投資が可能なため、個人で不動産投資を行う場合よりも気軽に投資をすることができます。現物不動産への投資の場合は購入資金についての融資を利用することができますが、*基本的には小口商品と証券化の場合は融資を利用できません。(*一部条件を満たせば可能な場合もあります)
リターンはどう違う?
小口化商品の場合は共同所有のため、現物投資に比べると配当などのリターンは少なく、利益を確保する時期も限定されます。不動産信託(REIT)の場合も株式投資と同様に価格が変動するためタイミングが重要となるでしょう。しかし現物投資の場合、入居者がいる限り安定した賃料収入が見込め、中長期的な視点で多くの収入を手にしたい方にとっては、リターンを得やすいと言えます。売却のタイミングを意識することで大きな利益を得られることもあります。
相続対策もできる?
現物(個人投資)と小口化商品(任意組合型)の場合は、相続税対策に活用できますが不動産投資信託の場合は時価評価になるため相続税対策には不向きです。
「相続税対策のために不動産投資をすると良い」と聞いたことはありませんか? これは現金や有価証券を相続した場合は、その金額すべてが相続税の対象になり相続税支払い額が高くなります。しかし、現金を事前に不動産に変えておくことで、本来支払うべき相続税を安くすることが出来ます。これは不動産の場合は評価額の算出方法が別にあるからです。その不動産を賃貸に出した場合、さらに相続税が安くなる場合もあります。(税金面に関しては別に記事でまとめます)
分散投資という考え方
現物(個人投資)の場合は多額の資金が必要になるため、一度に複数の不動産を購入することは難しいですが、小口化商品や不動産投資信託の場合は少額から購入可能なため、同時に複数投資することも可能です。
維持・管理について
現物(個人投資)の場合は、個人で賃貸募集から管理まで行うことは難しいため管理会社に委託することが一般的です。その場合には管理費用が別途必要になってしまいます。一方、小口化商品や不動産投資信託の場合は、すべて不動産会社が行うため手間も費用も不要です。
転用・売却のときは?
現物(個人投資)は現況のまま売却や建替え、自己利用と転用が可能ですが売却の場合、現金化までに時間を要したり、場合によって買い手がつかず売却が出来ないケースもあります。しかし小口化商品や不動産投資信託の場合は売却が容易に出来るため現金化までのスピードが早いです。
まとめ
それぞれの特徴は比較できましたでしょうか?それぞれに長所と短所があります。また、ここではリスクについて触れませんでしたが、リスクはつきものです。それを理解したうえで自分にあった投資方法を見つけられると良いですね。