不動産投資信託(REIT)について詳しく理解しよう!

REITとは?

アメリカで生まれた「Real Estate Investment Trust」の略称で、一般的に「不動産投資信託」と呼ばれます。日本で販売しているものは、JAPANのJをつけて「J-REIT」と呼ばれる金融商品のひとつであり、東京証券取引所で売買されています。投資家から集めた資金をもとに複数の不動産を購入し、運用で得た収益を投資家に分配を行う商品です。

日本ではいつ始まったか、いまも人気なの?

日本では、2000年11月に「投資信託及び投資法人に関する法律(投信法)」が改正され、いよいよJREITが解禁となりました。翌年の3月には東京証券取引所がJREIT市場を開設し、9月には初のJREITとして“日本ビルファンド投資法人”と“ジャパンリアルエステート投資法人”が上場しました。そして、発足約3年後の2004年2月にはJREITの時価総額がはじめて1兆円超えることとなります。新型コロナウイルス感染症の拡大がすすむ2020年には大幅な下落がありましたが、銘柄数:62件/物件数:4,291件/資産総額:202,880億円(2020年12月現在)となっています。

参照:一般法人不動産証券化協会(https://j-reit.jp/history/

REITってどんな人に向いているの?

  • REITってどんな人に向いているの?
  • 知識が乏しく、運用はプロに任せたい方
  • 知識が乏しく、運用はプロに任せたい方

実物不動産投資を行うには多額の資金が必要ですが、高いリターンを狙うことも可能です。しかし、物件選びや運用に関しては知識を必要とします。それに対して少額から始められ、プロに運用してもらえるJREITは不動産投資がはじめての方にとっても向いているといえるでしょう。

どんな物件があるの?

物件は住居系(マンション)と事業系(オフィスビルや商業施設等)があり、個人投資では手の届かない多種多様な物件に投資することが可能になるのです。中には一千億円を超えるビルもあります。個人投資の場合は自分で良質な物件を見極めなければなりませんが、REITの場合が不動産運用のプロが選定した物件を購入することが出来るのです。

【 銘柄と利回りの一例 】

参照:すべての投資家のための不動産投信情報ポータル(http://www.japan-reit.com/ranking/all#rimawari

2021年8月26日現在

REITのメリット

  • 不動産の専門知識が浅いひとでも始めやすい

個人投資の場合、不動産投資に関する専門知識が必要ですが、REITの場合は不動産投資のプロが運用してくれるため、専門知識が浅くても始められる投資のひとつです。投資を通して学ぶこともできますね。また、個人投資の場合は維持・管理が必要になり、基本的に不動産会社へ委託します。その際には管理費用が別途かかりますが、REITの場合は不要です。他の費用が発生しないこともメリットのひとつです。

  • 少額から投資が可能

個人で不動産を購入する場合、多額の資金(数百万~数千万)が必要となります。REITの場合は数万円、数十万円から売買されており、少額の自己資金があれば投資をすることが出来るのです。

  • リスクコントロールが可能

一般的に不動産投資と聞くと一棟投資や区分投資を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?上記の場合、ひとつの不動産を購入する際に多額の自己資産が必要で、金融機関から融資を受けて購入するケースも多くあります。この場合、リスク分散のために複数の不動産を所有することは資金面からみても難しいですが、REITは少額から投資が可能なため、複数の物件に対して分散投資をすることが出来るのです。

  • 自由に売買が可能

現物不動産の場合、現金化するまで時間が掛かりますが、REITについては株のように証券市場で売買が出来るので現金化が容易にできます。

REITのデメリット

  • 運営法人の倒産リスク

REITの場合も一般の企業と同じく、業績悪化や資金繰りの影響により倒産に陥るリスクがあります。

  • 価格変動

REITは株式同様に価格の変動があります。不動産市況に限らず、経済全体の影響を受けます。たとえば、2020年の新型コロナ感染症の拡大により一時急落がみられました。回復傾向にありますが、このような影響を受け分配金が減少することもあります。また、元本保証もされていないために売却時に損をすることもあります。

  • 災害リスク

地震や台風などの自然災害や火災等で不動産が被害を受けた場合、収益性を失ったり、不動産の価値が下落したりするリスクもあります。事前に念頭に置いておくことが大切です。

まとめ

REITは少額の資金で不動産投資を始められることが可能で、個人では購入できないような物件にも投資するチャンスがあり、オーナーになることが出来る魅力的な投資です。REITはデメリットよりもメリットの方が比較的に多い投資ではありますがリスクに備え、1つの種類に絞らず分散投資を心掛けたほうが良いでしょう。